2022年 エントリー作品

最多一般得票賞

時代を感じる小さくて快適な家

中古物件購入+リノベーション

耐震+断熱

2,000〜2,500万円

2022年02月

  • 断熱

    等級5

  • 耐震

    上部構造評点1.28

「小さな、そして快適なおうちに住みたくて、どこか時代を感じる側面も楽しめて、住みながらどんどん好きになっていく、そんな楽しみを持ちながら住んでいます。こうしたい、ああしたいがどんどん出てくるのがすごいなぁと日々実感しながら暮らしています。」

これは、お施主様から頂戴したメールの一部です。快適さと時代を感じる側面。この二律背反性がこのプロジェクトのテーマです。快適=性能向上、時代を感じる側面=残すリノベーション。性能向上のためには解体範囲を広くして耐震・断熱施工をする必要があります。一方、時代が紡いできた雰囲気や設えは一度壊してしまうと元に戻すことはできません。例えばこれが、自分が生まれ育った実家だったらどうでしょう。なお更、建てた人の想いや住んだ人の思い出を残したいと考えるのではないでしょうか。寒い東北の冬を考えると性能向上はとても大事なテーマです。一方、それはQOL(生活の質)を向上させるための手段に過ぎません。お施主様が新築ではなくリノベーションを選択された意味を考え、QOLの向上に重点を置き全体のバランスを整えることが私たちのポリシーです。このプロジェクトでは、それが高い水準で実現できたのではないかと考えています。

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リノベーション後 After

時代を感じる小さくて快適な家

キッチンはあえて壁付けにすることで圧迫感を軽減。冷蔵庫も隠してスッキリした空間になりました。壁にステンレスの棚を取り付け見える収納にしました。キッチン背面にある造作カウンターにはごみ箱などが入ります。

時代を感じる小さくて快適な家

ランドリールームとファミリークロークを同室に。洗う⇒乾かす⇒干す⇒片づけるが一室で収まる動線。換気扇の設置・窓を大きく・あえて扉を付けないことで湿気対策を心がけました。衣類乾燥機上のカウンターは作業台として活用。

時代を感じる小さくて快適な家

シューズクロークはあえてオープンにすることで広々と使えるように提案しました。

時代を感じる小さくて快適な家

南側に窓があるにも関わらず暗い和室でした。思い切って窓を小さくして書斎スペースに。おもちゃの収納も兼ねた本棚は大容量です。

時代を感じる小さくて快適な家

西側の洋室だった部屋に南北それぞれ大きな窓を設け、間仕切り壁をなくすことで多くの光を取り込めるようになりました。明るく風通しの良いリビングです。

時代を感じる小さくて快適な家

今回のリノベーションでは外観のフォルムは変わりません。外壁材に流行りの色や柄を取り入れることも可能でしたが、「どこか時代を感じる」というテーマの下、エモーショナルな外壁材を選択しました。

リノベーション前 Before

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    玄関

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    床の間

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    暗い和室続き間

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    キッチン

リノベーション施工中 Process

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    ウレタン断熱施工

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    床の間の設えを残す施工

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    残しながらの性能向上

間取り Plan

リノベーション前

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    部屋数は多いものの南北の続き間や他の部屋を通らないとたどり着けない部屋が会ったりと、決して使いやすいとは言えない間取りでした。その中でも、施主様が“実家のような雰囲気”を気に入られたことから、その風情を残しつつ性能向上にも努めました。上位等級相当の数値を出すことはできませんでしたが、性能とデザインのバランスで施主様のQOL(生活の質)は高い水準で実現できたのではないかと考えています。

リノベーション後

  • 時代を感じる小さくて快適な家

    この物件の購入にあたっては、コンパクトなサイズ感を気に入って戴けました。間取りに対するご希望をお伺いし、限られたスペース、既存の構造を生かすため、よりシンプルなご提案を心がけました。
    どの部屋に何をどれだけ収納するか、お施主様自ら進んで考えて戴けたことで、スッキリ無駄のない間取りを提案することができました。
    性能向上は大切ですが、それ以上にお客様に“寄り添う”意識を大切にしました。

物件概要

所在地
福島県郡山市
敷地面積
169.48㎡(51.26坪)
延床面積
87.76㎡(26.54坪)
構造
木造在来二階建て
既存建築年
1987年(築37年)
改修竣工年月
2022年02月
断熱性能
UA値:改修前2.95w/㎡・K ⇒ 改修後0.51w/㎡・K(改修前の5.7倍に向上)
耐震性能
上部構造評点:改修前0.15 ⇒ 改修後1.28

企業紹介

企業名
株式会社 増子建築工業
Webサイト
https://www.rereco.net/
コメント

りりこはお客様の“やりたいこと”と、私たちが“やらないといけないこと”だと思うものを織り交ぜてご提案します。見た目をきれいにするだけのリフォーム、リノベーションはご提案しません。

生まれ育った家。家族の大切な思い出、歴史を受け継ぐ。
それこそまさに、リノベーションの醍醐味です。この地域で、長年皆様に育てて頂いた会社が母体のりりこです。これからもお客様に寄り添いながら、皆様と一緒に歩んでいきたいと思っています。

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。