蔵の家「スケルトンインスケルトン」

持ち家リノベーション・リフォーム

耐震+断熱

2,000〜3,000万円

2019年06月

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リノベーション後 After

蔵の家「スケルトンインスケルトン」

大黒柱を再利用した。1900年代初頭に建てられた蔵であるため、損傷していたが、塗装をすることで蘇った。中央奥に見えるのは造作階段。古材や既存建具のデザインにマッチするように和のテイストで作成した。

蔵の家「スケルトンインスケルトン」

窓は新しく設置した。
ただし、蔵の改修では単に窓を取り付ければよいというわけではない。窓ガラスの奥行をどのラインに設置するかで印象が変化するため、現場で配置を確認し決定した。

蔵の家「スケルトンインスケルトン」

玄関戸は既存を再利用している。左官で仕上げた扉と木製の扉の2層構造である。断熱性能的には、現代の扉が優れているが、既存の再生が難しく、価値の高い建具を再利用することにした。

リノベーション前 Before

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    一見して柱や土壁は劣化しているように見えたが、蟻害・不朽・虫害状況を確認すると、一部を除き再生可能であることが判明した。特に土壁の下地になっているヌキ材は柱を貫き、倒壊防止の要となっていた。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    窓は左官で仕上げた扉と鉄の格子で構成されており、再利用できないかと検討した。しかし、採光・断熱・気密・透過といった性能を考えるとアルミサッシには及ばないため、残念ながら廃棄する判断となった。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    土台は石積みの上にのせてあるだけであったが、滑りや移動はしておらず、レベルも大きく下がっていなかったので、再利用することにした。
    ただし、今後も長期にわたって使用し続けるためには、補強が必要であると判断した。

リノベーション施工中 Process

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    新たな柱、梁に断熱材を充填し、また耐力壁を設置している様子である。既存の構造体は、土壁で断熱・蓄熱・耐力壁を全て担っていたが、これに付加断熱した構造にした。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    土葺きの下地をルーフィングに改修することで軽量化を図った。一方で壁の土の量は、通常より多い(壁が厚い)ため、計算上は非常に重い建物とした。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    石積みの基礎に抱き合わせるような形でコンクリート基礎を施工した。この基礎に土台を設け、床の荷重と一部の屋根の荷重を支える構造にした。また、水平力に対しても負担に耐えられるように引き抜き金物等を設置した。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    既存の木材(古材)は、大黒柱と梁を見せるように計画した。1階桁ラインの水平剛性は構造用合板で確保し、2階桁ラインの水平剛性は登り梁の活用で柔床となるため、屋根の軽量化と鉛直構面の強化を図った。

技術的なポイント Point

蔵の中に新しい構造体を追加し、耐震性・断熱性の改善を提案した。新しい構造体である基礎・土台・柱・梁に、2階の床荷重、屋根の一部の荷重の力を流し、長期荷重及び短期荷重を支えることで、既存の基礎・土台・柱・梁への負担を軽減させた。断熱材は魔法瓶のように、既存の構造体の内側に断熱ラインをつくり、外壁の外側は蔵特融の厚みのある土壁が蓄熱と防音の役割を担っている。

間取り Plan

リノベーション前

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    隣接して母屋がある蔵で、改修前は納戸として活用されていた。2階建てで、一般的な蔵に比べ大きな建物。基礎は石積み、壁は200mmの土壁、屋根は土葺きの和瓦で、重量としては非常に重い建物である。敷地配置的には駐車場に近い場所にあり、子世帯がここを活用したいということでプロジェクトがスタートした。

リノベーション後

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    ライフスタイルの変化により、隣接する母屋を将来的に活用することも視野に入れる必要があった。そこで、当該建物は小空間である居室を多く造るのではなく、大きな空間を家族で共有しながら暮らしていくことをコンセプトにした。ただ、大空間とするには既存の構造材に更なる負荷がかかることから、今回「スケルトンインスケルトン」という手法で補強をした。因みに「スケルトンインスケルトン」は当社独自の造語である。

  • 蔵の家「スケルトンインスケルトン」

    断面図

物件概要

所在地
広島県広島市
敷地面積
226㎡(68.36坪)
延床面積
109.30㎡(33.06坪)
構造
伝統構法2階建て
既存建築年
1900年(築125年)
改修竣工年月
2019年06月
省エネ基準地域区分
6地域
断熱性能
UA値 改修前2.66w/㎡・K⇒改修後0.51w/㎡・K(改修前の5.22倍に向上)
耐震性能
上部構造評点 改修前0.39 ⇒ 改修後1.77
設計

森 優

施工

松村 秀幸

企業紹介

企業名
山根木材リモデリング株式会社
Webサイト
https://lp.remodeling-yamane.jp/
コメント

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グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。