昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

持ち家リノベーション・リフォーム

耐震+断熱

2,600万円

2024年09月

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リノベーション後 After

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

増築したLDKの先には緑の視界が広がり明るい部屋になりました。庭を見ながらのキッチンはお料理が楽しくなります。

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

建具をやめ玄関と洋間を一体に。梁を補強し壁を撤去したお陰で部屋を有効活用。スケルトンの階段からは2階の陽が差し込み気持ちの良い空間になりました。

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

階段は登りやすいように1段の高さを203mmに変え、回り踏板の分割も3枚で基準法に適合させました。

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

台所を玄関通路にチェンジし裏庭へ。寒さ対策に床へは断熱材を敷き詰めています。叔母が使っていた椅子を置き来客は靴を履いたままお話ができます

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

2階和室は建具も再利用し畳を入れ替え昭和の雰囲気でとても落ち着きます

昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

まちづくりの景観を意識し減築した空間へ小庭のアプローチと緑化駐車場を施工。外観は経年美化を見据え杉板張り

リノベーション前 Before

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    下水道の引込みに合わせて2000年に増築した納戸と水廻り

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    お勝手口から裏庭へ足元の柱は腐朽していた

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    3畳間から台所をみる。廊下側の建具は外して暮らしていた

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    回り階段が4つ割りの踏板で危険でした

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    2階和室の目透かし天井は雨漏りも無くきれいだった。床は南東へ傾斜していた

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    2000年のリフォームで張り替えた金属サイディング。水切り部で錆がでていた。

リノベーション施工中 Process

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    屋根瓦を降ろし手作業の解体。土壁残しのフルスケルトン

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    既存の無筋布基礎へ逆ベタ基礎を添わせ後施工アンカーとHD金物を設置

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    構造計算された補強梁を入れ2階床へ24mm構造用合板を打付け水平補強をした

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    外壁の外張断熱材。既存と増築部分すべて同じ仕様です

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    土壁が無かったところは木小舞を打ち土を両面から塗った。告示の防火構造とする

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    漆喰を塗るために貫が露出していた部分へ自然素材の繋ぎ材を入れ下塗りを平らに施工

技術的なポイント Point

ベタ基礎を添わせ全体補強をした。アンカーボルトや金物を全てに取付し引抜力に対応した。
沈下により大きく傾斜していた建物を戻し、ゆがみが減少したところへ耐力壁・水平剛性の補強をした。
屋根と壁の断熱材の取り合いを気密テープでしっかりつなげ熱橋を無くし気密を取りやすくした。
床下点検が容易に出来るよう有効高さを330とした。
ゴミとなる既存の屋根土や壁を再利用した。

間取り Plan

リノベーション前

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    ●昭和38年に建築された木造2階建
    ●町屋特有の間口が狭く奥に長い敷地で当時は道路添いに街並みがそろっていた
    ●お一人住まいで当初1階は洋裁店でした。2000年に水廻りを増改築され雨漏り修理なども行われた
    ●裏庭へは花木が植えられ憩いの場所になっていました

リノベーション後

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    ●南側を解体し駐車スペースと小庭のアプローチを作り景観に意識しました
    ●玄関通路から裏庭への動線を計画し増築したLDKから眺められるプライベートな空間を確保
    ●洋間はコミュニティーの場として玄関と一体空間
    ●2階は西側へ窓を作り冬の日差しを取込みました。空間は当初のまま昭和の趣を残しました

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    【冬の空調と換気】
    届かない暖気は家庭用送風機で補います

  • 昭和をつなぐ土壁再生の小さな家

    【夏の空調と換気】
    2階の冷気を1階へ
    1階は長い間取りのため2台使いですが、容量の小さいエアコンで効果あり

物件概要

所在地
静岡県袋井市
敷地面積
122.1㎡(36.8坪)
延床面積
67.04㎡(20.23坪)
構造
木造軸組み工法2階建
既存建築年
1963年(築62年)
改修竣工年月
2024年09月
省エネ基準地域区分
6地域
断熱性能
UA値 改修前3.33w/㎡・K⇒改修後0.37w/㎡・K(改修前の9倍に向上)
耐震性能
上部構造評点 改修前0.13 ⇒ 改修後1.85
事業主
住設計室
設計
川島淳子
施工
入沢建築

企業紹介

企業名
住設計室
コメント

穏やかにつつましく心地良く暮らす。人と木と土の共存。経年美化された安心快適な空間の中ではぐくむ心の豊かさを大切にしています。

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。