連棟長屋のポケットリビング

持ち家リノベーション・リフォーム

ゾーン断熱

1,600万円

2023年11月

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リノベーション後 After

連棟長屋のポケットリビング

玄関からリビングを見通す。木板で囲まれた3つのセクションの間に天井を折上げたリビングを計画しています。

連棟長屋のポケットリビング

木板に保護塗装を施した上で、メーカーと協議して塗料性能を維持できる範囲で木目周りを研磨することで存在感が現れ、落ち着いた空気感をつくることを目指しています。

連棟長屋のポケットリビング

リビングです。連続したR型開口の中に洗面や階段など、必要機能をコンパクトに計画しています。

連棟長屋のポケットリビング

リビングから玄関・キッチン方向を見通す。長屋ながら、空間が柔らかく分節した構成にすることで、奥行きと気持ちの切り替えの生まれるよう配慮しています。

連棟長屋のポケットリビング

玄関周りです。左手の小窓からはキッチンに視線が通ります。

連棟長屋のポケットリビング

2階のスタディスペース、ベッドスペースです。大きなワンルームとして設えています。

リノベーション前 Before

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    外観正面です。

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    1階 玄関周りです。玄関扉開けてすぐに廊下を挟んでリビングへと続いてたので、窮屈な印象がありました。フローリング調のシート床と畳床の切替部に小さな段差があるため、段差をなくされたいとのことでした。

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    1階 玄関横のキッチンです。

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    1階 和室1です。

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    2階 和室2から洋室を見通しています。

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    2階 和室2です。

リノベーション施工中 Process

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    内装解体後の様子。

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    床下に断熱材(高性能グラスウールボード 24K t105)の設置の様子。

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    入れ替えるサッシ(アルミ樹脂複合サッシ LowE複層ガラス WKH6.8-A12-FL4)の納品時の様子。

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    2階の壁・天井裏に断熱材設置の様子。壁:高性能グラスウール 14K t105、天井:高性能グラスウール 14K t155

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    1階の壁に断熱材設置の様子。壁:高性能グラスウール 14K t105

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    連続したR状の開口部とリビングの折上げ天井の工事中の様子。

技術的なポイント Point

・各階は断熱区画にて明快にゾーニングし、必要な断熱性能を確保しています。加えて、主要な室には建具を設置し、空調範囲を限定できるように配慮しています。

・内装となる壁・天井には、調湿性能のある漆喰仕上を提案し、経年的に施主が自分で維持管理可能なローラーで塗れる材料を採用しました。

・各室は、加齢を見越した照度設定と照度シミュレーションをもとに設計を行い、調光の採用と合わせて将来にわたって利用できる照明計画としました。

間取り Plan

リノベーション前

  • 連棟長屋のポケットリビング

    改修前の平面図です。玄関周りが小さく、リビングが近接しているため、窮屈さが感じられ、周囲からのプライバシーも守りにくい状況がありました。床の細かな段差や、収納量はありながらもバリエーションが少なく、追加で収納が置かれていることもあり、将来的な生活を見据えると、所々に住み難さを感じていらっしゃいました。

リノベーション後

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    改修後の平面図です。将来的に1階にベッドをおくことも考慮した上で必要なリビング・ダイニングスペースの面積を確保した上で、玄関ホールも従来より大きく確保することで出入口からアプローチしやすい環境を整備しました。床仕上を統一して不要な段差を排除したことも加えて、施主と共に全体的に将来性を見据えた計画としています。キッチンスペースをつくり、リビングに折上げ天井を計画するなど、既存と同じくワンルームに近い構成ながら空間的な分節と変化をつくり出しています。

物件概要

所在地
京都府京都市
敷地面積
42.03㎡(12.73坪)
延床面積
48.27㎡(14.62坪)
構造
木造在来2階建て
既存建築年
1973年(築52年)
改修竣工年月
2023年11月
省エネ基準地域区分
6地域
改修部分断熱性能
UA値 改修前4.91w/㎡・K⇒改修後0.53w/㎡・K(改修前の9.26倍に向上)
事業主
個人

企業紹介

企業名
メラーキテクチャ アーキテクツ 建築研究所
Webサイト
https://www.merakitecture.jp/
コメント

私たちの活動は、どこまでも広く、どこまでも自由な社会環境へ向けた、最小限のリソースにより多様な体験が生まれる場を設計しています。
性能の確保や新しい技術の探究だけでなく、「利用者の活動を自由にすること」、「利用者の空間把握領域をどこまでも広げられる環境の構築を目指しています。

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。