優秀賞

30年後の家族へプレゼント

中古物件購入+リノベーション

耐震+断熱

2,500万円

2022年09月

  • 断熱

    等級6

  • 耐震

    上部構造評点1.50

新潟市東区に立つH邸。この建物は1964年に建てられた築58年の木造住宅で、これまでに増築や減築を繰り返し現在に至っている。施主はそんな中古住宅を購入し、リノベーションすることにした。
今回のリノベーションの最大の目的は、徹底した断熱改修。
そのために、屋根・基礎・構造躯体だけ残して解体することから始めた。

そうして達成したのが、UA値=0.23(新潟市がある5地域においてはHEAT20・G3基準をクリア)という、新築でも実現が難しいハイレベルの断熱性能だ。
壁は高性能グラスウール120mm+フェノールフォーム45mm。
床は高性能グラスウール105mm+ポリスチレンフォーム60mm。
天井は高性能グラスウール300mm+フェノールフォーム45mm。

あらゆる面でW断熱を徹底している。

C値は完成時測定で0.8

窓は主にトリプルガラス×樹脂サッシを使用。
また、耐力壁を増やすことで上部構造評点を0.24から1.50に向上させ、耐震等級3相当の壁量にしている。

間取りは大きく変えつつも、「既存の柱を抜かない」というルールを順守。それが構造材のコスト削減に繋がっている。
玄関に入れば、目の前には旅館のような畳廊下。和室の続き間を改築した19畳のLDKにはキッズスペースとしての小上がりや、庭木を眺める心地いいダイニングがある。
ダイニングの隣には軒下でくつろげるテラスもあり、家に居ながらアウトドアが楽しめる。
さらには、自宅で集中して仕事ができるように独立した書斎も完備。

37坪の家にエアコンは2台。夏は2階の階段上、冬は1階玄関上で各1台ずつの壁掛けエアコンを稼働させ家全体を低燃費で冷暖房でき、猛暑が続いた8,9月も家全体25℃くらいで快適に過ごすことができた。冬は玄関に設置した14畳エアコン1台22℃設定で20℃~23℃で運用できた。

空気の循環や換気システムにもこだわることで、快適性を高めている。
1種ダクトレス全熱交換型換気扇(せせらぎ)で夏冬とも安定した温度湿度を管理できた。

老朽化が進んでいた築50年超の木造住宅。「建て替えた方が早い」という意見が多数派かもしれない。
しかし、資材価格が高騰する今の時代に、建て替えずともリノベーションでここまで性能を引き上げられるという事実を伝えたい。
また、カーポートには3.5kwの太陽光発電パネルも搭載。高い外皮性能と太陽光発電を組み合わせることで電気の自給自足を目指し、持続可能な社会づくりに個人レベルでも貢献できることを提案したい。

既存住宅瓦葺き、にて屋根を大きく施工することが難しいため、カーポート(耐雪150cm)に太陽光パネルを限界8枚(3.64KWh)を載せ、その容量でZEHとするように建物の断熱環境を逆算した。

耐震、断熱工事で費用が上がる分は330万円(国交省 新潟市)の補助金を活用して予算に充てた。
高性能化のイニシャルコストは30年間の月々の電気代等のランニングコスト削減で回収できる。低燃費で快適な住まいは30年以降も続いていく。

ストック活用×高性能住宅×補助金の事例として、年中快適温度で、強い建物に、コストを削減しながら、リノベーションで叶えられることを実証できたように思う。

投票数

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リノベーション後 After

30年後の家族へプレゼント

広いLDKで家族のびのびと生活できている。

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既存の外観を損ねないため、和風のガルバリウムサイディングを採用した。

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右奥玄関上に14畳用のエアコンを設置。冬はこの1台(常時260w程度で運用。全館22±2℃くらいで運用している。動線の先にサッシを設け、行き止まり感を解消し奥行きを出している。

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テレビボード兼耐力壁。基礎を新設し、右側の梁の荷重を受けている。

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屋外と屋内の連続する天井はウエスタンレッドシダー
LDKをより広く見せるためキッチン側から見て天井と床が連続するよう計画した。

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壁ー天井へ連続するアーチ。照明計画をうまくすれば、もう少し演出を良くできたかも?

リノベーション前 Before

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    S39年築部分、雨漏りが一部あったが全体として健全。床下も乾燥していた。

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    引受時は物量が多く足の踏み場が無いほどだった。

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    外観の状態は良いと感じる。なるべく既存の開口部の位置に再度開口部を設けるようにした。

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    旧ダイニングキッチン。北西の日の入らない位置に計画されていた。

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    正面の柱部分に多くの荷重がかかっていた。
    この部分は、梁、基礎とも強化する位置。

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    2階部分。物が多く散乱しており、事前調査はまともには行えなかった。

リノベーション施工中 Process

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    解体後荒床施工完了。増築部分は4寸角の柱も多く使われていた。

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    付加断熱として、ネオマフォーム45mmを施工した。

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    耐力壁はニチハの「あんしん」を使用した。

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    床はGW105mm、合板12mm、カネライト60mmとダブル断熱にしてある。

  • 30年後の家族へプレゼント

    鉄骨梁が使用されており、ヒートブリッジが心配だったため、絡む部分は屋根断熱とし、下屋から2階へ断熱を連続させた。

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    解体直後。床は乾燥しており、軸組の痛みは多くは見られなかった。

間取り Plan

リノベーション前

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    階段より右が昭和39年築、右が平成8年増築。屋根はその際に下地ごと葺き替えられた

リノベーション後

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    柱はなるべく抜かず配置計画を行った。コスト上の理由と瓦、下地が健全であったことから、屋根にはパネルは乗せず、カーポートに乗せた。

物件概要

所在地
新潟県新潟市東区
敷地面積
195㎡(59坪)
延床面積
121.73㎡(37坪)
構造
木造
既存建築年
1964年(築60年)
改修竣工年月
2022年09月
省エネ基準地域区分
5地域
断熱性能
UA値:改修後0.23w/㎡・K
耐震性能
上部構造評点:改修前0.24 ⇒ 改修後1.50
設計
平田未来
施工
株式会社まごころ本舗

企業紹介

企業名
株式会社 まごころ本舗

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。