特別賞

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

持ち家リノベーション・リフォーム

断熱

1,870万円

2019年09月

  • 断熱

    等級6

本物件は性能向上リノベの会が発足する前の2019年に竣工した物件である。
当時の鹿児島ではどうしても”南国”のイメージがあるため、断熱は不要という考えが浸透していた。

しかし、お施主様は部屋の中が夏は暑く、冬は凍えるほど寒いため、「鹿児島でも冬はしっかり寒いので夏は涼しく冬は暖かく過ごしたい。今住んでる家をリノベーションで快適な空間に変貌させることができれば。」との思いでいろいろなリノベーション手法を検討していた。

そんななか、第三子が誕生し家族5人となり、居住中の2LDKの家では手狭になってきたタイミングで隣の住戸が空室になったのため、思い切って隣室を購入し部屋を広く拡張してフルリノベをしようと決意。二戸の住居を一つにまとめる『ニコイチ暮らし』を始めることにした。

二戸の住居を一つにつなげるため通常行われるのは「壁をぶち抜く」という大掛かりな手法。しかし建物構造を調べると、家と家の境の壁は耐力壁だったため、強度の問題で少しも開口が出来ないとわかった。一時はあきらめかけたニコイチリノベだったが、ワンフロア二戸で自分たちが二階部分を占有できるという建物特性を活かし、外廊下部分を増築し、既存開口部を少し拡張しつつ部屋内に取り込む事で二戸の住居を一つにつなぐ手法をひらめいた。
建物の耐力壁には手を加えず、最小限の解体で『ニコイチ』を実現することに成功した。

住戸面積が広がったことで空間を贅沢に使えることを活かし、広々とした玄関にはアーチ壁を設置し、脱いだ靴が見えなくなるように工夫した。また正面壁に突き当たると左右どちらからも部屋にアクセスできる導線を確保。

いつでも人を招く事ができる広々とした “招くリビング”と、洗濯物を畳んだり来客時も自由に過ごす事ができる“くつろぐリビング”。2つのリビングは、子供たちの友人が遊びに来たときもお互い気にせず過ごせる空間となった。さらにリビング横のスタディーコーナーも宿題や在宅ワークにぴったり。

断熱の手法としては、天井には高性能グラスウールを隙間なく充填し、壁と床にはネオマフォームを充填した後気密シートで密閉処理。窓はすべてプラマードを設置することでUA値0.38(断熱等級6、HEAT20G2)となった。
高断熱リノベのおかげで記録的な猛暑が続く夏場でも、45坪ほどの居住空間でも家庭用エアコン2基を28度設定で快適に過ごす事ができ、冬場は20度設定で部屋全体がふんわりとした温かさに包まれた。

快適な体感温度の空間に調湿性や脱臭効果が期待できる素材をふんだんに使用することで実現した『無意識に体感する快適な暮らし』は、家族の笑顔を生み出すリノベーションの最高の成果だ。

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リノベーション後 After

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

メインリビングとなる”招くリビング”はニコイチだからこそ実現できる24畳の広々空間。空調効率を考え、トイレ以外はドアで仕切られていないので一台のエアコン(4kw)でも全体が同じ温度に保たれ快適な空間となった。

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

セカンドリビングは”くつろぐリビング”としてテレビを見ながら洗濯物を畳んだり、子供たちの友人が遊びに来た際に活躍するスペースとなっている。

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

メインリビングの横にはスタディスペースを設置。リビング全体を見渡せるので家族と一体感のある空間で宿題や在宅ワークに最適な場所となっていたが、最近では奥様のお風呂上がりのスキンケアスペースとしても活躍。

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

広々とした洗面脱衣室は洗面カウンターの上にガス乾燥機を設置することで出し入れしやすい高さと、洗濯物の一次置き場としてのスペースとして活躍。

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

外廊下を増築で遮るり、内廊下として利用することで二戸の住戸を一つにつなぐ”ニコイチ暮らし”を手に入れた。

二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

玄関を開けるとアーチがお目見え。正面には絵画を飾り、左右どちらからも部屋にアクセスできるようになっている。

リノベーション前 Before

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ありふれたマンションの内装。

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    建物の日当たりは悪くないが、日が当たる部屋と日が当たらない部屋との温度差を感じていた。

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    建物の日当たりは悪くないが、日が当たる部屋と日が当たらない部屋との温度差を感じていた。

リノベーション施工中 Process

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ネオマフォームを充填し気密シートで密閉。この後天井の気密シートとも連結。

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ネオマフォームを充填し気密シートで密閉。この後天井の気密シートとも連結。

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ネオマフォームを充填し気密シートで密閉。この後壁の気密シートとも連結。

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ネオマフォームを充填し気密シートで密閉。この後壁の気密シートとも連結。

間取り Plan

リノベーション前

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    ワンフロアに2LDKが二戸のマンション。
    一戸あたりの面積は70m2ほどで、築浅物件だが無断熱の物件だった。

リノベーション後

  • 二戸の住戸を一つにつなぐ。ニコイチ暮らし始めました。

    外廊下を住戸に取り込むプチ増築を行うことで二戸の住戸を一つにつなぐ「ニコイチ暮らし」を手に入れた

物件概要

所在地
鹿児島市
延床面積
149.5㎡(45坪)
構造
RC造3階建て
既存建築年
2005年(築19年)
改修竣工年月
2019年09月
省エネ基準地域区分
7地域
断熱性能
UA値:改修後0.39w/㎡・K
設計
大城 仁

企業紹介

企業名
株式会社 大城

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。