2023年 エントリー作品

南馬込古民家改修

持ち家リノベーション・リフォーム

耐震+断熱

5,862万円

2021年07月

投票数

268 269

投票受付終了

リノベーション後 After

南馬込古民家改修

座敷はリビングに改修され、床の間・仏壇も現代生活に馴染むように納めている。天井を撤去し、小屋裏空間も一体化させた。

南馬込古民家改修

南西角の押入れを撤去することにより、庭と地域に開かれた大開口が実現した。

南馬込古民家改修

既存部分と増築部の接合部。暗くなりがちな部分であったので、トップライトによる採光を採用。サーキュレーションを持つ間取りが、生活・家事ストレス軽減に寄与している。

南馬込古民家改修

もともと小屋裏内で見えてはいなかった屋根の裏側のトント葺きをそのまま意匠表現として見せるようにした。そのため断熱と耐震補強は外側(上側)に施した。

南馬込古民家改修

客間はダイニング、茶の間はキッチンに改修した。

南馬込古民家改修

玄関は既存の引分け戸を再利用した。そのため玄関部分は風除室的な扱いとし、断熱ラインから外し内部の扉で断熱している。

リノベーション前 Before

  • 南馬込古民家改修

    客間~座敷(仏間)

  • 南馬込古民家改修

    座敷~客間

  • 南馬込古民家改修

    玄関

  • 南馬込古民家改修

    和小屋

  • 南馬込古民家改修

    束基礎

  • 南馬込古民家改修

    座敷外部

リノベーション施工中 Process

  • 南馬込古民家改修

    蟻害によりスカスカの状態であったがレジンにより再生

  • 南馬込古民家改修

    グラスウールを充填し、断熱性能を取得

  • 南馬込古民家改修

    柱を持ち上げ根太を仮固定し柱脚カット

  • 南馬込古民家改修

    下から土台とアンカーボルトをセット。その後鉄筋と浮き型枠をセットしコンクリート打設

  • 南馬込古民家改修

    架構の補強は、水平・垂直の既存部材に補強材を挿入する工法を選択。それぞれの部材は材の歪み・傾きを調整しながら個別の金物により緊結された。

  • 南馬込古民家改修

    屋根の補強は、天井裏から現れたトント葺きを意匠的に生かせる工法を選択。既存瓦撤去後、野地板を構造用合板と垂木で補強し、再度瓦屋根で仕上げた。

間取り Plan

リノベーション前

  • 南馬込古民家改修

    【改修方針】
    ①確認申請の取得(増築部分)
    □既存部分は法適合状況調査の指摘事項を是正
    □資産価値の向上
    □必要な壁量を追加

    ②耐震改修
    □基礎と屋根架構の補強
    □Iw=0.06(倒壊可能性大)からIw≧1.00(一応倒壊しない)に改善

    ③断熱改修
    □HEAT20/G2グレードの達成へ
    □BELS☆☆☆☆☆の取得へ

    ④床下エアコン・太陽熱給湯の挑戦
    □高気密高断熱化に伴う挑戦

    ⑤間取りの改修
    □現代生活への適合

リノベーション後

  • 南馬込古民家改修

    【改修結果】
    ①確認申請の取得(増築部分)
    ☑確認済証取得(2020年5月22日付)
    ☑検査済証取得(2021年7月19日付)

    ②耐震改修
    ☑Iw=1.13(一応倒壊しない)に改修
    ☑大田区耐震補助金受領

    ③断熱改修
    ☑HEAT20/G2グレードを達成
    ☑BELS☆☆☆☆☆を取得(2022年3月28日付)

    ④床下エアコン・太陽熱給湯の挑戦
    ☑恒温室内環境(常時ほぼ摂氏20度)を実現

    ⑤間取りの改修
    ☑現代生活に合わせた間取りに改修し、回遊性を備え、
    オモテとウラが穏やかに区分された平面が実現

物件概要

所在地
東京都大田区
敷地面積
450.15㎡(136.17坪)
延床面積
127.11㎡(38.45坪)
構造
木造在来2階建
既存建築年
1878年(築146年)
改修竣工年月
2021年07月
断熱性能
UA値 改修後0.43w/㎡・K
耐震性能
上部構造評点 改修前0.06 ⇒ 改修後1.13

企業紹介

企業名
株式会社あすなろ建築工房
Webサイト
https://www.asunaro-studio.com/
コメント

株式会社あすなろ建築工房は、横浜を拠点に、自然素材を用いた注文住宅やリノベーションを手掛ける設計事務所兼工務店です。

設計事務所のセンスと知識、工務店の技術と技能を融合させ、両者の強みを活かした「最適解となる家づくり」を手掛けています。
具体的には、パッシブハウスの設計・施工を得意としており、冬暖かく、夏涼しい、自然災害に強い家づくりを実現しています。また、自然素材をふんだんに使用することで、住む人の健康や環境に配慮した家づくりにも取り組んでいます。

手がける住宅は、いずれもシンプルで機能的なデザインが特徴です。また、自然光や風を効果的に活用した設計により、室内は明るく開放的としております。

あすなろ建築工房は、家づくりを通じて、住む人の豊かな暮らしを実現することを目指しています。

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。