弊社は、自社で中古住宅を買い取り、建築士・工務店にともに性能向上リノベーションを施したあと、再び不動産市場で分譲する不動産事業者です。
本物件は、平成7年に開発分譲された1区画にある建売分譲住宅で、周辺には区画整理による開発が進み商業施設も増えて、暮らしやすい環境が整ったエリアです。藤沢市は特に若い世代に人気が高く、人口増加が続いています。
本物件の近くには学力で評判が高い公立中学校があり、学区限定で住まい探しをする方も多いエリアのため、子育てファミリー層を想定してプランニングを行ないました。
間仕切りを変える必要が無く、断熱性・耐震性の向上を中心に、より明るく開放感のある住空間を目指しました。ウッドショックで木材価格の高騰が進んでいた時期でしたが、軸組の入れ替えが無いことで木材調達量を減らすことが出来たため、構造躯体を残すスケルトンリノベーションのコストメリットを活かすことが出来たプロジェクトでした。
■長期優良住宅と修繕計画
藤沢市で初となる、増改築の長期優良住宅認定を取得。
27年前の建売住宅でしたので、外壁には通気層が無く、防水層とモルタル下地が一体となったパネルのみで構成されていました。また、小屋裏換気がされていなかったため、木材の表面に腐朽菌が見受けられました。このような劣化事象が起こりづらいように、これから50年後も住み続けられるように、長期優良住宅化リノベーションを実施しました。
■断熱性能
湘南エリアの象徴でもある藤沢市は7地域に区分される温暖地です。湘南エリアの住宅は断熱性よりも開放的なデザインを優先することが多いなか、Ua値 0.45・ηAC値 1.5に性能向上させ一般ユーザーに訴求しました。
■耐震性能
有筋基礎+布基礎を活かしながら、N値計算による金物補強と筋交い架け替えを中心に耐震補強工事を実施。上部構造評点1.5に性能向上しました。
■性能値
長期優良住宅認定取得(増改築)
断熱性能:Ua値 0.45 / ηAC値 1.5
耐震性能:上部構造評点 1.5
気密性能:C値 2.9
一次エネルギー消費量:BEI 0.77