2022年 エントリー作品

選考委員賞

文京区小日向の家

持ち家リノベーション・リフォーム

耐震+断熱

2,000〜2,500万円

2022年12月

  • 断熱

    等級6

  • 耐震

    上部構造評点1.56

本計画は旧耐震(昭和52年築)の、戸建て住宅リノベーションである。
住み手の安全性、快適性を確保するため、大幅な耐震性能、断熱性能の向上を行った。(耐震性能:上部構造評点1.56、断熱性能:UA値0.41W/㎡K、気密性能:相当隙間面積C=0.97 cm²/m²)
『耐震改修』は、①基礎補強(既存無筋基礎に対して鉄筋コンクリート基礎を抱き合わせ補強)、②耐力壁の配置、③柱頭柱脚金物の配置、④瓦屋根から金属系屋根への改修を行った。
『断熱改修』は、①壁、天井に対してグラスウールを施工、②床下、外壁にはフェノールフォームを施工、②サッシを高断熱樹脂サッシに交換、により行った。
なお、外壁はフェノールフォームによる外張り断熱とし、金属サイディング仕上げとした。
既存住宅の温かみのある設え(タイル、階段等)を残しつつ、新しい建材、デザインとの融合に配慮することで、他にはない空間を実現した。また、新たな象徴としてトップライトを設け、暗くなりがちな玄関ホールに優しい天空光を取り入れる計画とした。
間取り変更と設備の更新を行うことで、現在のライフスタイルに合った動線計画とした。
また、費用負担を抑えるため、令和4年度 「次世代省エネ建材の実証支援事業」の補助金等を活用した。

投票数

27 28

投票受付終了

リノベーション後 After

文京区小日向の家

リビングからキッチンを望む
キッチン手前に造作カウンターを設置し、I型キッチンをリビングに対面させ、開放的なキッチンとなるよう配慮した。

文京区小日向の家

2階廊下から階段室を望む
上部トップライトからの天空光により、階段室の採光を取得する計画とした。

文京区小日向の家

キッチンからリビングを望む
和室と居間との間の壁を取り払い、1室のリビングとした。サッシの形状、および天井および壁のビニールクロスで変化を持たせ、立体感のある空間となるよう計画した。

文京区小日向の家

玄関ホール
玄関から、右側には上部にトップライトを配置した階段室、左側にはFIXガラス越しにキッチンを望むことが出来るよう計画し、開放的な空間となるよう工夫した。

文京区小日向の家

建物外観
外壁の仕上げは、本体重量が軽く、建物に対する負担の少ない金属サイディングとした。白系の外観色とし、サッシ枠もホワイトとすることで、明るくすっきりとした外観デザインとなるよう工夫した。既存タイルと調和させることで、温もりのあるファサードとなるよう配慮した。
(玄関ドアは「ヴェナードD30 D2(防火)」)

文京区小日向の家

洋室A
配色は白基調とし、明るく清潔感のある空間デザインとした。
生活シーンに合わせて部屋の雰囲気を変えられるよう、照明は調光調色機能付きのダウンライトとした。

リノベーション前 Before

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(玄関)

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(居間)

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(キッチン)

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(2階和室)

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(浴室)

  • 文京区小日向の家

    リノベーション前(玄関)

リノベーション施工中 Process

  • 文京区小日向の家

    室内施工状況
    充填断熱にはアクリアマット(50mm)を採用。

  • 文京区小日向の家

    外張り断熱の施工状況
    環境共創イニシアチブの「次世代省エネ建材の実証支援事業」の外張り断熱の採択を受け、施工しています。外張り断熱材はネオマフォーム30㎜。

  • 文京区小日向の家

    基礎補強の施工状況
    既存無筋基礎に鉄筋コンクリート基礎を抱き合わせて補強。
    土間部分は防湿コンクリートを打設。

  • 文京区小日向の家

    トップライト施行中の状況

  • 文京区小日向の家

    サッシ施工状況
    APW330(YKK AP)を採用。

  • 文京区小日向の家

    性能向上リノべの会の会員の方々に、断熱と耐震改修事例の研修として現地にお集まりいただきました。

  • 文京区小日向の家

    天井断熱施工状況
    イゾベールスタンダート(t:105mm)(下層)、イゾベールコンフォート(t:105mm)(上層)、その上にイゾベールバリオを施工。

間取り Plan

リノベーション前

  • 文京区小日向の家
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リノベーション後

  • 文京区小日向の家
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物件概要

所在地
東京都文京区
敷地面積
96.59㎡(29.26坪)
延床面積
106.54㎡(32.28坪)
構造
木造在来軸組工法 2階建
既存建築年
1977年(築47年)
改修竣工年月
2022年12月
断熱性能
UA値:改修後0.41w/㎡・K
耐震性能
上部構造評点:改修前0.3 ⇒ 改修後1.56
設計
萩 啓伊志

企業紹介

企業名
株式会社 電気プロペラ

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。