2022年 エントリー作品

特別賞

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

持ち家リノベーション・リフォーム

断熱

6,000〜7,000万円

2021年09月

  • 断熱

    等級5

築80年以上の実家を昔の趣を残しながら、住宅兼お惣菜屋さんへリノベーション。
古民家だから寒い!ってことがないように高性能サッシと断熱材を適宜にいれて、断熱強化をし、構造はなるべく元の構造を触らないように、壁補強。
 内外装は、地元の木材や瓦を積極的に利用し、リノベーションだからこそ表現できる「元からある素材」を活かし、ヴィンテージ感を大切にしました。
 地元への貢献と環境貢献に寄与した古民家再生プロジェクトとして、地域の皆様のお力を存分に借りた建物を是非ご覧ください。

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リノベーション後 After

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

床の間は昔の違い棚や書院を残しながら風格ある雰囲気に。
暖炉を建物の真ん中にもってくることで内装デザインの主役になるだけでなく住まい全体が暖かくなることを考えた配置とした。

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

二階の一部屋減築し、上部を吹き抜けに。
根太や梁は昔のまま残すことで上部から降りてくる光にステキな影の演出ができています。
縁側の障子も光を柔らかくいれてくれる演出に大貢献。

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

外観は昔の面影をそのまま活かしながら窓の整理整頓!
庭にある樹木を活かしながら、適宜に窓を増やしたり、減らしたりしながら、窓デザインを整えています。
和室からは目の前にある川を眺めることができ、初夏にはホタルが舞う風景を見ながら過ごす贅沢な空間に。

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

玄関には地元の杉の踏み板と上がり框を使用。
建具も杉板に組子造り。
ガラスはステンドグラスの技法を使ったガラスをはめ込み、和洋のコラボを演出。
奥様のお気に入りの李朝家具も映えて玄関のAccentになってます。

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

お風呂もあこがれのひのき風呂に!
ガラスの層にブラインドを入れて外をみるときにはお好みに光の調整が可能に。
とても便利な窓アイテムです。

八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

二階の寝室からも一階に声をかけられるように室内建具有り。
壁や天井に黒く塗装した杉板を張り、趣ある空間にするのはもちろん、無垢材がもっている調湿作用を利用し、断熱性能とあいまって、適温適湿にする快適空間を提案

リノベーション前 Before

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    きれいな丸太梁があります。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    土壁も状態があまり良くなかったので再度解体。
    大切な構造「財」をどう活かすか。残すことで懐かしさを感じてもらえるよう現地で密な打合せを続けた。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    ステキな梁と柱がたくさん見えてる状態。これからどう活かしていくのかを考えているところ。
    前にも増築をしたことがあるということで新旧の構造材が見えている画像です。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    小屋の中もとてもきれいで土壁も残ってます。

リノベーション施工中 Process

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    床の間をきれいに残しながらグレードアップ!床の間は黒御影石で品のある空間に。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    外部は昔のままの雰囲気を残すため塗り壁後に杉材でよろい張り中 周りの整地も同時進行中

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    ボロボロになった雨戸や戸袋を取り替え中
    大工さんと建具屋さんのコラボでとてもステキな玄関になるちょと前

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    厚みが250mmある屋根断熱は夏場の日射をシャットアウト!
    隠れていた丸太梁を魅せるための屋根断熱施工。
    通気はもちろん下地をいれて確保!

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    サッシはエピソードNEOⅡを採用
    すべてが特寸で対応し、間の違う柱間をきれいに窓でdesignすることができました。現場採寸にお付き合い頂いた流通店の皆様にもとても感謝!

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    外部周りはすべて面材でつくり、耐震と気密性にも考慮。
    もちろん外部は通気層を新たに設け、劣化にも対策をしている。
    防蟻はベイト工法を採用し、定期的な訪問をすることで維持管理のアドバイスができるようにした。

間取り Plan

リノベーション前

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    解体がほぼ終わった状態からの設計セカンドオピニオン依頼を受ける。
    生まれ育ったご実家の再生の御依頼を受け、予算と設計的な技法お説明をし、承諾頂き、工事を地元の協力大工さまたちと引き継ぐことになりました。

リノベーション後

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    構造に逆らわずに間取りを構築していくこと。
    見えている梁や柱をどう活かすか、家具をどこに入れるか、床暖房を入れるが無垢材を使用するためにどうしたらいいか等を施主様のご希望聞きながらとにかく提案していきました。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    二階は減築し、一階の和室や玄関に光が差し込むように吹き抜けを設けました。

  • 八女の古民家「ご実家」再生プロジェクト

    外観も懐かしい姿を残しながら、外から見える窓の奥に見える障子や組子、天井の杉板、照明などなどの住まいの様相を魅せる工夫をしました。

物件概要

所在地
福岡県八女市立花町
敷地面積
904.54㎡(273.62坪)
延床面積
139.59㎡(42.22坪)
構造
木造在来(伝統工法)2階建て
既存建築年
1940年(築84年)
改修竣工年月
2021年09月
断熱性能
UA値:改修前2.26w/㎡・K ⇒ 改修後0.57w/㎡・K(改修前の4倍に向上)
施工
ハウジングキムラ

企業紹介

企業名
LOOPS Architect.株式会社
Webサイト
https://loops-a.com/

グレードとは

性能向上リノベでは、断熱と耐震のそれぞれの現行基準を3段階に分類し、基準を策定。性能向上リノベーションがされた証として、必要なエビデンス情報を登録し、安心・快適な家であるお墨付きの証として「性能向上登録証」を発行しています。これからの時代に選ばれる、安心・快適な家を可視化します。

断熱

ランク UA値 断熱等級
0.46 6
0.60 5
0.87 4
耐熱の説明

耐震

ランク 上部構造評点 耐震等級
1.5以上 3
1.25~1.5
未満
2
1.0~1.25
未満
1
耐震の説明
  • 建物は、自立循環型モデル住宅(在来工法)を対象に、地域区分は、6・7地域(都心部を中心)に策定しています。
  • UA値(外皮平均熱貫流率)とは住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
  • 上部構造とは壁や柱など家の構造物のこと。上部構造評点とは、震度6強の地震で建物が倒壊しないために必要な力を数値で表した必要耐力(Qr)に対する現状の耐力の割合を表します。
  • 既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。